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 白い岩肌から見えるいくつもの穴は、まるで蜂の巣のよう。古墳時代の横墓群と言われているが、いったい誰が、なぜこんなに密集して、どのようにして掘ったのか。

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炎天下の吉見百穴。県内の女性4人が訪れていた=2025年7月30日、埼玉県吉見町北吉見、浅野哲司撮影

【撮影ワンポイント】蜂の巣のような古墳時代の横墓群

「日本のカッパドキア」をどう見せるか。古墳時代に思いをはせながら、吉見百穴へ。しかし、暑さで有名なこの地の洗礼を受け、頭はくらくら。結局、下から見上げた写真に。古代人に「地に足をつけて撮りなさい」と言われた気がした。(浅野哲司)

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 平均45度もの急勾配の斜面に、1人入るのがせいぜいの横穴が、斜行しながらほぼ平行線上に並ぶ。炎天下の階段を上ると噴き出る汗とともに、謎は深まる。国の天然記念物ヒカリゴケが自生する穴もあり、妖しく光る。

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吉見百穴の横穴内部(許可を得て撮影)=2025年7月30日、埼玉県吉見町、浅野哲司撮影
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吉見百穴のヒカリゴケ=2025年7月30日、埼玉県吉見町、浅野哲司撮影

 埼玉県吉見町教育委員会によると、穴がほぼ全容を現したのは明治期になってからだ。それまでは土の間から数基の横穴が姿を見せていただけだった。

 1887(明治20)年、帝…

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